Homma Museum of Art芸術・自然・歴史の融合/公益財団法人 本間美術館
企画展のみどころ
岸駒《猛虎図》
江戸時代後期(19世紀)
酒田市指定文化財
【開館75周年記念企画展】江戸時代の絵画-百花繚乱の画家たちの競演-
- 会期/2022年7月22日(金)~9月6日(火)
- 本間美術館・美術展示会場
- 主催/公益財団法人 本間美術館
- 共催/山形県・(公財)山形県生涯学習文化財団
- 後援/酒田市・酒田市教育委員会
- 開館時間/午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 入館料/一般/1,000円(900円)
- 高・大学生/450円(400円)
- 小・中学生/無料
- ※( )内は15名以上の団体入館料
- 上記入館料で国指定名勝「本間氏別邸庭園(鶴舞園)」「清遠閣」もご覧いただけます。
学芸員のギャラリートーク
「江戸時代の絵画」◉8月7日(日)午前11時より
※新型コロナウイルス感染拡大の状況によっては変更・中止の可能性もあります。
江戸絵画の巨匠たち
狩野探幽
《龍頭観音・野馬・柳牛図》
江戸時代前期(17世紀)
松村景文
《亀の尾の滝図》
江戸時代後期(19世紀)
個人蔵
江戸時代後期の四条派の画家であり、兄の呉春に画法を学び優麗な花鳥画を得意とした。軽快な筆致の妙は兄をしのぎ,四条派は景文によってさらに発展した。
伊藤若冲
《鶏図》
寛政2年(1790)
致道博物館蔵
伊藤若冲(1716~1800)は、京都に生まれる。初め狩野派を学び、さらに宋・元・明の中国絵画を研究し、また直接自然を学ぶことによって独自の作風を開いた。尾形光琳の影響を思わせる装飾的な花鳥画も描いたが、他方では鋭く飄逸な水墨画も多く描く。また特に鶏を描くことを得意とした。
池大雅
《山水図 宮崎筠圃賛》
江戸時代中期(18世紀)
山形県指定文化財
個人蔵
池大雅は18世紀に活躍した文人画家である。絵は,中国の画譜画伝や舶載画などから学ぶと同時に、室町時代の水墨画や俵屋宗達、尾形光琳の画法、西洋画などにも広い関心を示し、独自の画風を形成。明和8年に与謝蕪村と描いた「十便十宜図」は、日本近世の文人画の双璧による記念碑的合作である。
伝土佐光起
《菊慈童図》
江戸時代前期(17世紀)
酒田市指定文化財
個人蔵
江戸前期のやまと絵の画家であり土佐派の再興者である。父は「源氏物語画帖」などを描いた光則。宮廷の絵所預となり、また,内裏造営に加わって障壁画を描き,京都の公家社会と画壇に復帰し、内に秘めた宿望を果たしたのちに絵所預の地位を子の光成に譲った。光起は伝統的な土佐派の画風に、狩野派や中国絵画の表現も取り入れて、江戸時代にふさわしい瀟洒(しょうしゃ)な作品を残した。
女流画家の絵画
小野通女
《霊昭女図》
桃山~江戸時代前期(16~17世紀)
酒田市指定文化財
清原雪信
《蔡女仙花鳥図》
江戸時代前期(17世紀)
保管
江戸時代前期に活躍した狩野派の絵師で、久隅守景の娘で、狩野探幽は大叔父にあたる。狩野派で随一の女性画家として人気が高く、遺作も多い。探幽のやまと絵系の線質に習って、女性特有の筆触を加えたやさしい作風を示す。
本間家伝来の工芸品
慈雲
《達磨図》
江戸時代中期~後期(18~19世紀)
個人蔵
江戸中期から後期の真言宗の僧である。13歳のとき法楽寺で得度し、畿内各地で修行を重ね、京都で儒学も学んだ。慈雲の理想としたのは、当時の仏教界を打破し、釈迦在世のときに還元することであった。そして教典の解釈についても、過去の名論、卓説にこだわらず原典に遡って研究解釈を加えた僧侶である。
仙厓義梵
《老子画賛》
江戸時代後期(19世紀)
個人蔵
江戸後期の臨済宗の禅僧で、日本最初の禅寺である博多聖福寺の住職を務めた禅僧である。人々の求めに応じ、禅の教えを表した書画を数多く描いており、独自の気品とユーモアに富んだ画風を確立していった。
今年で開館75年を迎えた本間美術館には、多くの篤志家からの寄贈や美術館活動における収集によって、貴重な江戸時代の絵画が収蔵されており、当館を代表するコレクションの一つとなっています。
本展は、開館75周年を記念し、当館のコレクションと庄内に伝わった江戸時代の絵画の名品をご紹介する企画展です。17世紀初頭から19世紀後半に至る約260年続いた江戸時代は、多くの個性的な画家が登場し多彩な絵画が生み出された、まさに百花繚乱ともいうべき華やかな時代でした。狩野探幽、尾形光琳、池大雅、伊藤若冲、円山応挙、長沢芦雪などの江戸時代を代表する巨匠たちをはじめ、白隠や仙厓などの高僧たち、小野通女や清原雪信などの女流画家たちの創造された美をお楽しみ下さい。