公益財団法人 本間美術館は、「公益」の精神を今に伝え、近世の古美術から現代美術、別荘「清遠閣」の緻密な木造建築の美、「鶴舞園」、さらには北前船の残した湊町酒田の歴史まで楽しめる芸術・自然・歴史の融合した別天地。

公益財団法人 本間美術館

Homma Museum of Art芸術・自然・歴史の融合/公益財団法人 本間美術館

コラム

公益財団法人 本間美術館 [山形県 酒田市] > コラム

清遠閣にご宿泊された皇室の方々

学芸員:阿部 誠司

本間美術館は4月7日から、新型コロナウイルス感染拡大防止のため臨時休館をしておりますが、
このコラムでは、4月12日からの展覧会『国指定名勝庭園「鶴舞園」と本間美術館名品選』で皆さんのご覧いただくはずだった展示内容のご紹介します。

  

 

【清遠閣にご宿泊された皇室の方々】

文化十年(1813)に、藩主の領内巡視の休憩所として築造された庭園「鶴舞園」と「清遠閣」は、
明治になると酒田の迎賓館としてたくさんの貴人をお迎えしました。

なかでも皇室をお迎えすることは、酒田にとっても本間家にとっても重要な意味を持ち、
詳細な記録と貴重な硝子乾板の写真が残されています。

 

それでは、清遠閣にご宿泊された皇室の方々を年代順にご紹介します。

◆明治34年(1901)8月14日:閑院宮載仁親王殿下 東北巡回の途中でご宿泊

◆大正10年(1921)8月8日:淳宮・高松宮両殿下 東北御見学の途中でご宿泊
             光ヶ丘松林・日和山公園・下日枝神社・光丘文庫・山居倉庫をご覧になる

◆大正14年(1925)10月14日:東宮殿下(昭和天皇)
              陸軍特別大演習統監のため、宮城県下への行啓の折にご宿泊
              日和山公園・下日枝神社・光丘文庫・光丘神社・山居倉庫をご覧になる

◆昭和3年(1928)9月17日:朝香宮鳩彦王殿下がご宿泊

◆昭和6年(1931)8月22日:澄宮崇仁親王殿下
             秋田県より新庄を経て、午後3時45分、酒田に到着しご宿泊
             日和山公園・下日枝神社・光丘文庫・山居倉庫をご覧になる

◆昭和8年(1933)6月27日:伏見宮博恭王殿下 酒田に行啓の折にご宿泊
             翌日、山居倉庫・日和山公園・光丘文庫をご覧になる

◆昭和11年(1936)10月30日:秩父宮雍仁殿下、同妃殿下がご宿泊
              山居倉庫・日和山公園・農林省酒田米穀事務所をご覧になる

昭和19年(1944)6月1日:朝香宮鳩彦王殿下がご宿泊  帝国石油・山形造船酒田工場をご覧になる

 

 

当時の記録写真の一部をまとめたものがコチラです↓※クリックで拡大

 

 

その他、一階と二階で異なる建築様式(時代が異なる)や各部屋の調度から、当時を偲ぶことができます。

 

 

  

 

 

 

2020.04.18