Homma Museum of Art芸術・自然・歴史の融合/公益財団法人 本間美術館
企画展のみどころ
◆主催/公益財団法人 本間美術館◆共催/山形県・(公財)山形県生涯学習文化財団
◆後援/酒田市・酒田市教育委員会
◉開館時間/午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
- ◉入館料/
- 一般/1,000円(900円)高・大学生/450円(400円)小・中学生/無料
※( )内は15名以上の団体入館料
上記入館料で国指定名勝「本間氏別邸庭園(鶴舞園)」「清遠閣」もご覧いただけます。
茶杓 沢庵宗彭作 江戸時代前期(17世紀)
桃山時代に千利休(1522~91)によって侘び茶が大成され、日本独自の文化となった「茶の湯」。
その茶席で用いられる道具には、中国で焼かれた「唐物」、朝鮮半島で焼かれた「高麗物」、日本で焼かれた「和物」があり、各時代の権力者や茶人たちの美意識に反映した道具が賞玩され用いられてきました。
本展では、酒田の豪商・本間家が財政支援の御礼として庄内藩主酒井家などから拝領した茶道具を中心に、
唐物・高麗物・和物の名品を一堂に展示します。各時代を象徴する美の数々をお楽しみ頂ければ幸いです。
唐物中国からの船米物
唐物は、中国で焼かれた舶来品の総称です。鎌倉時代に、禅宗文化とともに抹茶の喫茶法が中国からもたらされると、禅宗寺院や武家の間で広まり、室町時代には、権力者たちの間で唐物尊重の美意識が確立し、室内に唐物を飾り立て喫茶を楽しむようになりました。唐物は、その均整のとれた姿と、高い技術による薄くて軽いつくりが特徴です。
- 唐物文琳茶入 中国・元~明時代(14~15世紀)
- 禾手天目茶碗 附 堆朱屈輪文天目台 中国・南宋時代(13世紀)
- 青貝布袋香合 中国・明時代(16世紀)
- 唐物丸壺茶入 中国・元~明時代(14~15世紀)
- 堆朱ひちょう房香合 明時代(16世紀)
高麗物朝鮮半島産からの船米物
高麗物は、朝鮮半島で焼かれた舶来品の総称です。室町時代後期には日本独自の精神性を重んじた侘びの茶風が広まると、唐物に替わって朝鮮半島で焼かれていた日常生活で使用する器が茶人たちによって見出され、和物とともに茶の湯で盛んに用いられるようになりました。高麗物は、素朴で飾り気のない姿が特徴です。
- 高麗青磁象嵌平茶碗 朝鮮・高麗時代(13~14世紀)山形県指定文化財
- 割高台茶碗 朝鮮・朝鮮時代(16世紀)山形県指定文化財
- 大井戸茶碗 銘 酒井 朝鮮・朝鮮時代(16世紀) 重要美術品
和物国産の茶陶
和物は、日本で焼かれた茶陶(茶の湯のやきもの)の総称です。桃山時代に千利休によって侘び茶が大成されると、高麗物に続いて和物が用いられるようになり、江戸時代には日本各地でつくられるようになりました。和物は、日本の茶の湯のために焼かれたもののため、利休の創意を受けて長次郎が誕生させた楽茶碗のように侘び茶の精神が色濃く反映された姿や、志野や織部のように歪みや抽象的な文様のある姿など、時代や地域によって違いがあるのが特徴です。
- 黒楽茶碗 銘 さび介 長次郎作
桃山時代(16世紀) 酒田市指定文化財 - 赤楽馬盥茶碗 道入作 江戸時代前期(17世紀)
- 瀬戸黒茶碗 銘 寒山寺 桃山時代(16世紀)酒田市指定文化財
- 古瀬戸平茶碗 室町時代(15世紀) 山形県指定文化財
- 竹一重切花入銘片雲 千宗旦作 江戸時代前期(17世紀)
- 瀬戸金華山茶入 銘 老茄子 桃山時代(16世紀)